トヨタミュージックライブラリーについて

社会が成熟し、人々が求める豊かさが物から心へ移り始めた1980年代、文化・芸術などを通じた心豊かな社会の実現が求められるようになりました。当時はまだ「CSR」や「メセナ」という言葉もない時代でしたが、日本全国にあるトヨタの販売店と一緒に、地域へ還元できる、草の根的な活動を模索していたところ、全国のアマチュアオーケストラをたばねる「日本アマチュアオーケストラ連盟」と出会いました。地域の販売店が、自分の町の楽団を応援するという仕組みや、人々を感動させることのできる「音楽」を通して地域の文化振興を図るという主旨に賛同し、1981年8月茨城県で第一回目の「トヨタコミュニティコンサート」が開催されました。

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トヨタコミュニティコンサート 第1回 茨城交響楽団(1981年8月)

その4年後の1985年には、「全国の同じ志を持つ仲間ともっと多くの時間を共有し、練習し、語り合いたい」という青少年たちの熱い想いをうけて「トヨタ青少年オーケストラキャンプ」がスタート。国内外から集まるアマチュアオーケストラの青少年が、年に一度の合宿で、第一線のプロの音楽家から指導を受けて曲を仕上げる。その過程の中で学んだことを自分の地元に持ちかえり、各地域のオーケストラ活動に広く活かされていることが特徴です。また、この活動は「自分たち自身の手による運営」をモットーとしており、設立当初に声をあげた青少年たちの熱い想いが脈々とうけつがれています。

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第30回 トヨタ青少年オーケストラキャンプ 日本青少年交響楽団 特別演奏会(2014年3月 サントリーホール)

翌1986年には、オーケストラ活動には欠かせない「楽譜」のレンタルを行う「トヨタミュージックライブラリー」を開設。中学・高校・大学のスクールオーケストラから市民オーケストラにいたるまで、幅広くご利用いただいています。

これら3つの活動は30年以上にわたる年月を重ね、アマチュアオーケストラの活動基盤を支え、当初23団体だった日本アマチュアオーケストラ連盟の加盟数も現在では140団体に。プロのオーケストラでは開催の難しい福祉施設や病院、離島での訪問コンサートを積極的に行い、地域には欠かせない文化の担い手へと成長しています。オーケストラキャンプ創設時に10代だった青少年も今では40代となり、各地域のオーケストラの中核となり活躍する人、プロの音楽家になる人とそれぞれの道で後進の指導に当たり、教え教えられる好循環を生み出しています。2011年の東日本大震災の直後には、トヨタからの呼びかけにいち早く賛同して日本各地から多くのアマチュアオーケストラのメンバーが楽器をかついで被災地の応援にかけつけてくれました。こうして1980年代にまかれた種が、日本各地で芽吹き、年輪を重ねて太い幹となり、しっかりと地域に根付き、トヨタとともに「いい町・いい社会づくり」をめざし活動を続けています。

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トヨタ青少年オーケストラキャンプ ヴァイオリン講師の白井篤先生(N響)は第4期卒業生